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網入板ガラスの割れについて

回答
ガラスの内部に金網が入っているガラスを「網入板ガラス」といいます。この網入板ガラスは、一般の板ガラスと比較して、ガラスが割れたときの脱落(飛散)防止性に優れています。このため、主に防火地域の窓や天窓に多く使用されています。

ところが、物がぶつかったりしないのに、あるいはいつの間にか、ガラスにひびが入っている場合があります。これは、網入板ガラスが、金網が入っているからといっても必ずしも強いというわけではなく、むしろ、そのために温度や雨水などの影響を受けやすい性質となっているからです。

温度による影響については、ガラスは一般的に膨張しないものと思われていますが、実は金属と同様に熱によって膨張する性質を持っています。ところが、直射日光を受ける部分とサッシの中に隠れている部分で温度差が生じるので、熱膨張にも差が生じます。この熱膨張の差によるひずみが、本来そのガラスが持っている「強度」を超えた場合、ひび割れが生じます。これを「熱割れ」といいます。減多に起きないことですが、一般の板ガラスにも生じることがあります。

特に、網入板ガラスは熱割れが生じやすくなります。それは、金網が封入されているため、切断時にガラスの切り口にキズが生じやすく、また均一な切断面になりにくいので、一般の板ガラスに比べてガラス周辺部の強度がおよそ半分しかないからです。網入板ガラスの熱割れは必ず起こる現象ではありませんが、ガラスの室内面に熱反射フィルムやポスターを貼るなど、温度や熱の影響をさらに受けるようになると、熱割れがより起こりやすくなります。

雨水による影響については、金網の錆があります。通常、網入板ガラスの金網に錆が発生しないよう、ガラス切断面に防錆処理を施していますが、経年劣化により防錆効果が衰えた場合やガラスの周辺にある合成樹脂製パッキンが経年劣化で硬くなったりひび割れたりして、パッキングの内部に雨水が浸入しやすくなった場合などが重なって、金網の切断面に錆が発生することがあります。

その錆がガラス内部に進行すると、金網が錆で膨らんでガラスにひびが発生します。この現象を「錆割れ」と呼んでいます。

また、金属線の入ったガラスを「線入板ガラス」といいますが、網入板ガラスと同様の理由で熱割れ、錆割れが発生することがあります。

このような熱割れや錆割れは、網入板ガラスの特性として不可抗力的に発生します。ガラスにひび割れが発生したら、すみやかにガラス交換を業者に依頼してください。


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